ベストはいつ?離乳食はじめるタイミング

生後5,6か月頃になると、お乳を飲むことで舌が上手に動かせるようになってきます。
そして、おもちゃ舐めやタオルなど口に触れたものの刺激により、だんだん原始反射がなくなり、赤ちゃん自らの食べる意欲が出てきます。
それに対し、おうちの方は「いつから離乳食をはじめよう…」と不安もありますよね。
赤ちゃんにとっても、おうちの方にとってもベストなタイミングってあるんでしょうか。

離乳食をはじめる3つの条件


離乳食スタートのサインは、大きく分けるとこの3つからなります。
  1. 食べる意欲がある(心)
  2. 安定したおすわりができる(体)
  3. 口にものが運べる(脳)

1、食べる意欲がある


  • 食べ物に興味がある
  • 食べ物をみるとヨダレが出る
  • スプーンを口に近づけても舌で押し返さない

などの様子がみられたら、原始反射がなくなり「食べたい」という意欲が出てきた現れです。

2、安定したおすわりができる

おすわりができるということは、体幹が維持できるということです。体幹が維持できるということは、手足も安定して動かせるということ。
離乳初期は特にイスにもたれたままの姿勢で与えてることが多かったのですが、確かに自分で身体を支えていないと、大人でも食べにくいですよね。赤ちゃんも同じなのです。

3、口にものが運べる


つまり、手づかみ食べの動きができるかどうか。手づかみ食べは、口と手と脳の協調運動です。口の動きと体の動きが協調していなければ、いくら食欲があってもスムースに食べることはできません。


この3つ、「心」「体」「脳」の準備が整ってから離乳食をスタートしましょう。

条件がそろわない時のサポート


おすわりができない、口にものをもっていけない


食べる意欲はあるので、飲み込むトレーニングの時期と考え、たくさんおもちゃ舐めをさせましょう。唾がたくさん出て飲み込む回数が増えます。

食べる意欲がみられない


心理的な問題も考えられますが、まずは生活リズムを考えてみましょう。ミルクの回数や身体を使って遊べているかなども、食欲に関わってきます。また、おうちの方の食べる姿も赤ちゃんの食欲をそそります。まだ離乳食がはじまってなくても一緒に食卓を囲んでみてはいかがでしょうか。  


タイミングが早すぎるのはNG?


原始反射(おっぱいを吸うための反射)がまだ消えないうちに離乳食をスタートすると、乳児嚥下(おっぱいを吸う飲み込み方)が残りやすく、舌の動きなど口の発達の妨げになります。
発達のペースには個人差があるので、5、6ヶ月だからと焦らず、赤ちゃんの「心」「体」「脳」の準備が整ってからスタートしましょう。

離乳食は、「めんどくさい」というイメージから、スタートが遅いというおかあさんもおられます。 
ただ、最近は"スプーンで与える"というイメージから、本人の意欲を尊重した"手づかみ食べからのスタート"を推奨している傾向にあります。
手づかみ食べから?余計に汚れるし大変!と私も思いますが、スプーンで与える形をいつまでも優先すると、1歳を超えても手づかみ食べができなかったり、フォークやスプーンが使えなかったりということも起こるようなので、早いうちから手づかみ食べをさせておいたほうが、後々スムースかもしれません。
スタートが早すぎても、極端に遅すぎても口の発達には影響してしまいます。しかし、その時期にできないことを無理にできるようにしようと思わず、赤ちゃんの成長のプロセスを1つ1つ考えて見守りましょう。準備が整えば、おうちの方の無理ないタイミングでスタートしましょう。
赤ちゃんの成長と離乳食を楽しんで進めていけるといいですね。


〈参考文献〉
0歳からの口腔機能と歯列の育て方/益子正範
口腔機能発達不全症対策 全身の発育を口から見る 口育/日本口育教会
そしゃくと嚥下の発達がわかる本/山崎祥子

口を育てるブログ

離乳食のイメージは「大変」「めんどう」 よく言われたのは、 「がんばりすぎるとしんどいし、適当に」 でも、知らないまま適当にすることと、知った上で手抜きをするのとは、全く違うこと。 赤ちゃんの口の仕組みや、発達がもっとイメージできると「なんで?」と悩むことが少なくなるかも。 現在子育て中の歯科衛生士が、これは知っておきたかった!と感じた情報を更新していきます。

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