悪い姿勢と口呼吸


現在は、パソコン、スマホやタブレット、ゲームの普及により、より猫背になりやすい環境です。
子どもたちも、赤ちゃんまでもがスマホ依存になっている姿をよく目にします。
このような生活習慣も、口腔機能発達不全症のこどもが増えている原因のひとつです。

危険!スマホ姿勢


たいがいスマホやパソコンの位置は顔より下にあるので、前かがみになります。前かがみになると、自然と顎を引く形になるため、口が自然と開きやすくなります。
また、テレビゲームなど、顔の正面に画面があるときでも、いわゆるおばあちゃん座りがクセになってしまうと、頭のバランスを保つために、口が開きやすくなります。

子どもの口呼吸は、歯並び、顔貌だけではなく、低身長や肥満、場合によっては発達障害につながることもあります。
そうならないためにも、赤ちゃんの頃から、ちゃんと鼻呼吸できる生活環境を整えてあげることが大事です。

離乳食での姿勢


口を正しく成長させるためには、離乳食中の姿勢も重要です。赤ちゃんの成長に合わせて、口がしっかり使えるように、正しい姿勢になるようサポートしましょう。

離乳初期


まだ、成人嚥下が定着していない時期は、少し上半身を後ろへ傾けると、ゴックンしやすいです。抱っこの状態でも良いですが、頭が反りかえらないように気をつけましょう。

離乳中期


背中が安定し、お座りができるようになれば、食事用のイスに座らせましょう。
この時期は、食べ物を舌と上顎でつぶしながら食べます。ちゃんと舌に力が入るように、足の裏を、床か補助板にピッタリつけましょう。この時期はまだ、真っ直ぐ上半身を維持できないので、イスと背中の間に隙間がある場合は、タオルなどを挟んて背中を安定させましょう。

離乳後期


この時期は歯ぐきで噛むことを習得する時期。しっかり口が動かせるように、足の裏をピッタリつけるよう調整しましょう。
手づかみ食べが始まる時期ですので、テーブルに手が届き、少し前のめりに動けるように、背中のタオルを調整してください。

離乳完了期


この頃は、自分で真っ直ぐの姿勢を維持できる子が多いですが、必要に応じて背中タオルで姿勢をサポートしましょう。
"食べさせてもらう"ことから"自分で食べる"ことへの練習期。自分で食べやすいよう、テーブルの距離と高さを調整しましょう。
もちろん、足の裏は床か板にピッタリつけます。

離乳期を過ぎても、足の裏をピッタリつけることは大事です。
足ブラブラの状態は、噛む機能を低下させるだけでなく、身体と精神のバランスまで不安定になります。
また、身体が左右どちらかに偏っていたり、猫背になっていたりすると、口がうまく機能せず、味覚も半減してしまいます。

ベビーソファーの注意


家事の合間や、出先ではベビーソファーは便利です。しかし、食事には適していません。お尻が沈み込みお腹が圧迫され、足も浮いた状態なので、うまくお口が機能しません。
また、まだ体幹がしっかりしていない時期に無理やりベビーソファーに座らせると、腰に負担がかかりますので控えましょう。



姿勢が悪い時は、たいがい口呼吸になっていることが多いです。
つまり、姿勢に気をつけることが出来れば、自然と呼吸も整いやすくなります。
現在の生活は、便利なもので溢れていますが、それに人間の身体がついていかず、様々な現代病を引き起こしています。
子どもの将来のため、まずは大人がお手本になり、良い姿勢・良い呼吸を取り戻しましょう。



<参考文献> 
口腔機能発達不全症対策 全身の発育を口から見る 口育/日本口育教会
発生学、摂食・嚥下の現場、関連研究から学ぶ 食べる・飲むメカニズム/日本歯科新聞社
床矯正・矯正治療の手引き/鈴木設矢
そしゃくと嚥下の発達がわかる本/山崎祥子

口を育てるブログ

離乳食のイメージは「大変」「めんどう」 よく言われたのは、 「がんばりすぎるとしんどいし、適当に」 でも、知らないまま適当にすることと、知った上で手抜きをするのとは、全く違うこと。 赤ちゃんの口の仕組みや、発達がもっとイメージできると「なんで?」と悩むことが少なくなるかも。 現在子育て中の歯科衛生士が、これは知っておきたかった!と感じた情報を更新していきます。

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