コップ飲みのすすめ


赤ちゃんの水分補給、もちろん哺乳瓶でもストローでもできますが、"口を正しく育てる"という意味では、コップ飲みがオススメです。
「難易度高くない?」「こぼすし、大変そう」
確かにいきなり大きなコップで飲むのは、赤ちゃんにとっては至難のワザ。
でも、ちゃんとしたステップを踏めば、上手にコップ飲みができるようになります。

コップ飲みのメリット


離乳初期の目的は、大人の飲み込み方(成人嚥下)を習得すること。成人嚥下は、口を閉じて、舌を上顎に押し付け、圧をかけて飲み込みます。この時期からコップ飲みを練習することで、成人嚥下を習得する後押しになります。

コップ飲みのすすめ方

まずはスプーンから

 
大きめのスプーンの横側を、赤ちゃんの下唇の中央に当て、上唇に水を触れさせて、すする動きを引き出します。スプーンを傾けすぎて流し込んでしまうと、正しく飲み込めないので、注意しましょう。

小さいコップで練習


上手にスプーン飲みができるようになったら、次は小さいコップで練習します。
哺乳瓶のフタくらいの大きさで、縁が薄いものにしましょう。紙コップでもよいです。

おうちの方は、赤ちゃんの唇とコップの中の水面が見える位置で確認しながら与えましょう。紙コップの場合は、飲み口を斜めにカットしてあげると、水面が見やすくなります。


このときの注意点はコップを深く加えさせないこと。下唇の中央に縁を固定するだけでOKです。赤ちゃんの頭が少し前かがみになるようにし、コップは動かしません。赤ちゃんが自ら、コップの縁を挟んですするのを、見守りましょう。

徐々に大きなコップへ

 
コップの縁からすすることに慣れて来たら、子ども用のコップなどへ、徐々に移行していきましょう。溢れるのが気になる場合は、溢れ防止シリコンマグカップなども、オススメです。上唇で蓋部分を軽く抑えつつ、吸い上げることで水分が出てくる仕組みになっているので、口周りの筋肉がつき、自然な口の発育をサポートしてくれるそうです。
個人差はありますが、だいたい1,2ヶ月で上手にコップ飲みができるようになります。


ストロー・スパウト飲みはダメなの?


溢れす便利なストローマグですが、乳幼児の頃から習慣化すると、舌を突き出す様な飲み込みのクセ(異常嚥下癖)がつくことがあります。それによりその後の呼吸、歯並び、発音などに問題が出てくることもあります。
日本口育協会では、ストロー飲みをする場合は、3歳以降にするように推奨しています。

といっても、おうちの方1人で育児をしている訳ではありません。実家や保育園、お出かけ先など、生活のシーンと、お世話する人によって、コップかストロー、どちらが良いのか判断してあげてください。


<参考文献> 
口腔機能発達不全症対策 全身の発育を口から見る 口育/日本口育教会
そしゃくと嚥下の発達がわかる本/山崎祥子
発生学、摂食・嚥下の現場、関連研究から学ぶ 食べる・飲むメカニズム/日本歯科新聞社


口を育てるブログ

離乳食のイメージは「大変」「めんどう」 よく言われたのは、 「がんばりすぎるとしんどいし、適当に」 でも、知らないまま適当にすることと、知った上で手抜きをするのとは、全く違うこと。 赤ちゃんの口の仕組みや、発達がもっとイメージできると「なんで?」と悩むことが少なくなるかも。 現在子育て中の歯科衛生士が、これは知っておきたかった!と感じた情報を更新していきます。

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