なぜ、離乳食は大事なの?

子を持てば、当たり前にやってくる離乳食。当たり前すぎて、意味や目的まで深く考えません。というか、考える暇ありません。
漠然としたままスタートし、「作る手間が大変」なのに「食べない」=「モヤモヤ」しているおうちの方多いのでは。

離乳食と口の発達


「手間が大変」なのは、栄養面をバランス良く考えて作る必要があるから。それだけでも正直いっぱいいっぱいなんです。

でも、少しだけ口の発達のことも考えてほしいのです。将来我が子が、歯列矯正しないといけなくなったら…チャリン
極力避けたいですよね。

離乳期は顎の発育のウォーミングアップ

人の顎の発育は、2回あります。1回目は産まれてから6歳頃まで、2回目は11歳頃から15歳頃まで。
つまり、離乳期は1回目の前半戦にあたります。顎は、噛むことによる刺激で発達します。噛む動作は離乳後期から習得します。
このときに「食べない」「丸飲み」のクセがつくと、刺激が足らず、顎の発育不全で歯並びが悪くなるかもしれません。
また、きれいな歯並びは、成人嚥下、鼻呼吸、バランスの良い舌と口周りの筋肉、の上に成り立ちます。そうです。全て、離乳期に習得するものです。

産まれて1歳頃までに、これだけたくさんのことを習得するのですから、ウォーミングアップというより強化訓練ですね。
つまづくことがあるのも当たり前です。
だからこそ、おうちの方のサポートと見守りが必要になります。

離乳食早見表のワナ


早見表には、ゴックン・モグモグ・カミカミなどの食べ方、ペースト状・プリン状などの食形態、舌の動き、歯の本数まで丁寧に書いてあります。
では、なぜ「悩む」のでしょうか?

離乳食が「大変」なワケ

母子手帳にも乗っている離乳食早見表。わかりやすく、一目で理解できます。いえ、理解した気になってしまいます。

誰にでもわかりやすく書いてありますが、なぜそうしないといけないのか?というところまでは書いていません。

もちろん人間相手。思い通りいかないのが当たり前。でもそうなったときに「ま、こういうもんか」と放置すると、その後も「なんで?」が連鎖するので、おうちの方の"めんどくさいリスト"に離乳食が追加されてしまいます。

赤ちゃんの口の機能を詳しく知れば、頭の中に自分の早見表が


毎日、もしくは毎週の作り置きの日に、早見表とレシピをみながらゆっくり考えるのは、忙しいおうちの方は難しい。だから、「適当」に作ってしまいます。

どうせ「適当」なら、まともな「適当」のほうがいいですよね。

そのステップごとの口の様子と動き、目標が理解出来できていれば、食形態や硬さは、我が子の今の状態、問題にアレンジ自在で、手抜きもできます。もちろん栄養面や消化の関係で、ステップごとの食材選びは大事ですが、1からレシピを真似するよりは時短になるかもしれません。 

月齢より、口に合わせた進め方を

私も子どもを産んでから感じたのですが、同じくらいの月齢の子でも、成長のペースは全く違います。それは口の中も同じこと。
離乳食の進め方は、あくまで目安の目安。
あまり、進め方や作り方に囚われすぎないで、「なんで?」となったら、我が子の口の様子を観察し、本来の目的を思い出しましょう。



参考文献
床矯正・矯正治療の手引き/鈴木設矢

口を育てるブログ

離乳食のイメージは「大変」「めんどう」 よく言われたのは、 「がんばりすぎるとしんどいし、適当に」 でも、知らないまま適当にすることと、知った上で手抜きをするのとは、全く違うこと。 赤ちゃんの口の仕組みや、発達がもっとイメージできると「なんで?」と悩むことが少なくなるかも。 現在子育て中の歯科衛生士が、これは知っておきたかった!と感じた情報を更新していきます。

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